コラム
2016.08.01
ペリドット
8月の誕生石はペリドットです。ペリドットは、オリーブ・グリーンと呼ばれる黄緑色が代表的な明るい緑色の宝石です。石言葉は「夫婦の幸福・平和 ・安心 ・幸福 」です。ペリドットの淡い緑色を見ていると穏やかな気持ちになれそうですね。
ペリドット(peridot、ペリドートとも)はカンラン石(苦土カンラン石)の変種です。良く似た石にエピドート(Epidote、緑簾石)というものがあり、このギリシャ語源である「epidotos」の異綴語が、ペリドットの由来ではないかと考えられています。ペリドット(Peridot)とは宝石名で鉱物名はオリビン(Olivine)といい、こちらはペリドットの色であるオリーブ色が由来となっています。カンラン石(橄欖石)というのは和名であり、かんらんとはオリーブに似た植物で、違うものなのですがオリーブと混同されてこのような名前になったそうです。ペリドットのモース硬度(ひっかきに対する強さ)は6.5-7.0です。産地としては日本でも産出自体はされますが、宝石として流通できるような美しいペリドットの産地はオーストラリア、アメリカ合衆国などに限定されます。
ペリドットは地核(地球の中心付近)の上部であるマントルが主要成分であり、火山付近で産出されます。そのためハワイのお土産品として有名ですが、現在はハワイ産の原石はあまり採れなくなっており、アリゾナ産のものが主流となっています。ペリドットの美しい黄緑色は、含有される鉄やマグネシウムによるもので、鉄分が多いほど緑色が濃くなり、マグネシウムが多く含まれるほど黄色が強く出るとされています。
ペリドットは溶岩の塊に運ばれて地表に出るため、急激な減圧で石が小さな粒に砕けてしまい、大きな結晶はごく稀です。この石は、小さくても十分な存在感と輝きを放つことから、宝石として流通されます。そのため、流通しているペリドットのほとんどは他の天然石に比べると小さなものとなるようです。また、地表に運ばれる時の減圧によって、内部亀裂が多く見られます。石のモース硬度は先述のように6.5-7.0と中程度ですが、この亀裂のために丈夫さが損なわれています。そのため、内部亀裂が無い宝石質の大粒は非常に高価です。
そのほか、石鉄隕石の一種であるパラサイト(丸みのある粗粒状の橄欖岩と、その間を埋める切れ目のない網目状の鉄‐ニッケル合金からなる隕石)の中にまれに宝石質のカンラン石が混じっていることがあるそうです。これはパラサイティック・ペリドットと呼ばれます。石鉄隕石自体が地球に飛来してきた全ての隕石のうち約1%しか存在しないとても希少な隕石で、さらにまれにしか見られないもののためとても高価だそうです。ちょっと調べてみたら、ペリドットを含む隕石ルース69カラットほどのものが13万円くらいで販売されていました。とても興味はありますが、簡単には手を出せないですね……。宇宙の神秘です。
宝石にもいろいろなものがありますね。今後も機会を見つけて調べて行けたらいいなと思います。
2016年8月1日 10:00 AM | カテゴリー: コラム