コラム

  1. ホーム
  2. コラム
  3. サンゴ

コラム

2016.03.01
サンゴ


 3月の誕生石が珊瑚(他に、アクアマリンやブラッドストーンも挙げられます。また、誕生石は国によっても異なるようです。)なのはご存知でしたか? また、過ぎてしまいましたが3月5日は珊瑚の日という記念日になっています。ということで、今回は珊瑚(サンゴ)について書いてみますね。

 

 まず、珊瑚とはなんでしょうか。珊瑚については、知らない人はほとんどいないと思います。でも、「珊瑚ってなに?」という質問を受けた時に、明確に答えることは出来ますか? 一般的には、珊瑚と漢字で書く場合は宝石としてのサンゴを指すようなので、このあとは生物として指す場合はサンゴとカタカナで表記していきます。

 サンゴについては動物か植物なのか、まずはそこから迷う方もいるかもしれません。しかし、サンゴの産卵風景をテレビなどで見た方は、サンゴは動物だとご存知かもしれないですね。
サンゴは、イソギンチャクやクラゲの仲間で刺胞動物(腔腸動物)に含まれます。ポリプと呼ばれる構造(刺胞動物の体の構造のひとつであり、イソギンチャクのように固着して触手を広げるもの)を持っていて、このポリプが単体で生活するものを「単体サンゴ」、一つのポリプが分裂や出芽を繰り返して生じたクローンが多数集まって生活するものを「群体サンゴ」と呼びます。また、サンゴの中には体内に褐虫藻という藻類を共生させているものがいて、そのようなものを造礁性サンゴと呼びます。造礁性サンゴは褐虫藻から光合成産物を供給されるため比較的成長が早く、サンゴ礁を形成します。おそらく、サンゴと聞いて私達が思い浮かべるのはこちらではないでしょうか。造礁性サンゴは光合成により多くのエネルギーを得ているため、光量の多い浅海域に生息します。サンゴが石灰質の骨格を積み重ねて海面近くまで高まりを作る地形をサンゴ礁といいます。ですからサンゴは生物、サンゴ礁は地形のことを指します。

 褐虫藻と共生を行わないものは非造礁性サンゴと呼ばれ、光合成によるエネルギーを得ないため、非造礁性サンゴには深海に生息するものもいます。造礁性サンゴと比べると成長はゆっくりとしたものだそうです。1cm成長するのに、約50年近くかかる種類もいるとか。はじめに書いたように、元来珊瑚と呼ばれたのは宝石として使われるサンゴで、こちらのサンゴを指します。宝石サンゴは深海に生息し、樹枝状の群体を作ります。高値で取引されるものもあるため、現在は乱獲による産減が激しいようです。日本で取れる宝石サンゴの中でも高知県沖に生息する赤珊瑚は高値で取引され、特に赤黒いものが最高級品として取り扱われているそうです。サンゴを乱獲する国外の密漁船の話がニュースになったのは記憶に新しいですよね。
 サンゴをめぐる問題ですと、他には水質汚染によるサンゴの直接破壊や、水が濁ることにより光が届かなくなり、サンゴの成長が妨げられるなどといったものがあるようです。私たちが気を付けられることは少ないかもしれないですが、環境にはやはり気を配らなければいけないですね。

 

 それにしても、記念日って本当にたくさんありますね。今後も気になったものは調べていこうと思います。

(コラム*カワセミ)

HOME