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2015.01.08
ひつじ


 2015年の干支は未年ですね。今回は、干支としての未、また動物の羊について書いてみようと思います。

 まず、干支としての未ですが、十二支の内、未は8番目の干支となります。未の方位は南南西 (正しくは南南西よりやや北寄り)で、未の刻は、午後2時およびその前後2時間です。未の月は旧暦6月とされています。
 未の特徴としては、羊は群れをなして行動するため、家族の安泰や平和をもたらす縁起物とされています。おみやげ屋さんなどで、羊の可愛らしい置物が売っているのを見たことはありませんか?安泰や平和だけではなく、羊は群れをなして幸運や金運を運ぶとも考えられているようです。そんな羊の特徴から、未年の人は穏やかで温かく、優しく正義感が強い真面目な人が多いといわれています。
 次に、未と羊の漢字の意味について調べてみました。「未」という字は、枝が茂っている木の形で、まだ枝が伸びきっていない部分を描いたものだといわれています。本来の読みは「み」。未来、未熟、未明、未満などのことばがあります。「羊」という字は、ヒツジを正面から見たときの、角と上半身を表した形です。後ろ足までの全体を表した形が「美」で、成熟したヒツジの美しさを表しています。
 羊は古くから家畜として親しまれ、羊の毛は織物、肉や乳は食用にされるなど、大変身近な動物です。中国では「馬、牛、羊、鶏、犬、豕」の六畜のひとつにあげられています。羊は群れる性質をもち、群れから引き離されると強いストレスを受けます。先導するものに従う傾向が強いため、家畜化に向いていました。「迷える子羊」もこの辺りに由来するようです。
 羊は草食動物で、胃袋(反芻胃)が4つあり、食べたものを吐き出しては、何度も何度も噛み直します。おなじみのウールは羊毛のことで、主にメリノ種という品種の羊が中心です。羊は1度に1~2頭の子を産み、生後1~2年経つと毎年春頃に毛刈りが行われ、1頭あたり約4キロの羊毛がとれます。
 羊の肉は食用としてもおなじみで、「ジンギスカン」といえば、溝が刻まれたジンギスカン鍋で羊肉を焼く料理です。一般的に、生後およそ1年未満(永久門歯がない)をラム、それ以上をマトンと区別し、ラムのほうが好まれています。また、ニュージーランドでは、ラム、ホゲット、マトンと区別。オーストラリアではさらにベイビーラム、スプリングラム、イヤリングラムと区別するなど、様々な格付のしかたがあります。

 

 また、羊といえば、眠れない夜に「羊が一匹……」と羊の数を数えた経験がある人も多いのではないでしょうか。眠れないときに羊を数えるのは、イギリスが発祥だといわれています。英語で羊のことを「sheep」といいますが、これが眠る意の「sleep」と似ているため、暗示をかける作用があるのだそう。また、「sheep」の発音が寝息に似ているから、「sheep」と言って息をはく行為がリラックスできるから、などの説もあります。ということは、日本語じゃダメ!?と考えてしまいますが、そのほかにも、羊のいる情景を思い浮かべると牧歌的でリラックスできるから、羊を数えるという単調な作業で眠くなるから、といった説もあります。……これなら、「羊が1匹、羊が二匹」でも大丈夫ですね。私も子供の頃、眠れない時は羊を数えた経験があります。基本的に寝付きはすこぶる良い方なので眠れない日はあまりないのですが、眠れない夜はこれからも羊の数を数えようと思います。

 羊を題材にした四字熟語も多くあります。今回は簡単な意味と合わせていくつか紹介してみますね。

・屠所の羊(としょのひつじ)
 屠所に引かれて行く羊。屠所とは食用にする家畜を殺して処理する所で、刻々と死に近づいているたとえです。また、不幸にあって気力をなくしていることのたとえでもあります。

・亡羊の嘆(ぼうようのたん)
 逃げた羊を追いかけたが、道が多くて見失ってしまって嘆くこと。学問の道があまりに幅広いために、容易に真理をつかむことができないことのたとえ。また、あれかこれかと思案に暮れることのたとえ。岐路亡羊や多岐亡羊も同様の意味ですね。

・羊質虎皮(ようしつこひ)
 実際は羊なのに、虎の皮をかぶっている意から、外見は立派だが、それに伴う実質がないたとえです。

・羊頭狗肉(ようとうくにく)
 羊の頭を看板として掲げて売っておきながら実際に売っていたのは犬の肉だったことに由来する。見かけ倒しのこと。宣伝(もしくは看板などの表示)と内容が一致しないことを意味します。

 他にも羊を題材にしたものはたくさんあると思います。見かけたら是非どんな意味か調べてみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。皆様の2015年が良い年になるように願っております。

 

(コラム*カワセミ)

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