コラム
2014.12.01
睡眠(前編)
まず、質の良い睡眠とはどのような眠りを指すのでしょうか。
みなさんも「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことがあるかと思います。人は、寝ている間にレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。質の良い眠りは「ノンレム睡眠」を指し、この時間を長くすれば質の良い睡眠をたくさん取れることになります。
睡眠には、眠りの深さによって5段階のステージがあります。まず、一番浅いのがレム睡眠です。次がノンレム睡眠となるのですが、ノンレム睡眠はステージが4つあり、一番深いのがステージ4となります。レム睡眠は夢を見ているときの浅い睡眠で、身体の力は抜けていても脳は起きている時のように活動しています。それに対し、ノンレム睡眠は深い眠りなので筋肉の活動は多少残りますが、脳の活動レベルは低下します。脳がしっかり休めている状態なので、ノンレム睡眠の方が質の良い眠りだといえるのですね。
さて、眠りの質を上げるためにはノンレム睡眠で眠る時間を増やせばいいと分かりましたが、レム睡眠とノンレム睡眠を自由に操ることは出来ません。しかし、寝るまでの行動によって、ノンレム睡眠に入りやすくすることは可能です。具体的に、どのような行動を取れば良いのでしょうか?
まず、睡眠の質を落とす要因の多くは体内時計の乱れから来ています。人間には、脳内にある主時計と体の隅々にある末梢時計の2種類の体内時計があるそうです。主時計は朝日を浴びることでリセットし、末梢時計は食事を取ることで主時計に合っていきます。体内時計のリズムを整えるためには、朝起きた後に朝日を浴びて、ちゃんと朝食を取ることが大切です。食事に関する行動で言えば、夕食の時間も質の良い睡眠を得るためには大切なものの一つです。夕食は、満腹になり過ぎない量で、就寝する三時間前には済ませておきましょう。満腹状態で眠ると、成長ホルモンの分泌が悪くなります。成長ホルモンは就寝中の新陳代謝を高めて疲労回復に役立つホルモンです。この分泌が悪いと、やはり睡眠の質は落ちてしまいます。
次に、精神、肉体的にリラックスすることが必要です。具体例を挙げれば、寝る直前にスマホやPCの操作を行うと、脳が覚醒してしまいます。特に部屋を暗くした状態で行うと目への刺激がより強くなってしまいます。就寝一時間前には、操作をやめて部屋の明かりも落とした方がいいようです。また、就寝時に部屋が真っ暗だと怖いと思う人も多いと思いますが、豆電球程度の光でも目への刺激となり、眠りが浅くなる原因になります。寝る時には明かりはすべて消すか、つけるにしてもフットライト程度にしましょう。
体をリラックスさせる手段として有効なのが、入浴です。ポイントは38~40度のぬるめのお風呂にゆっくり入ることです。熱いお風呂は交感神経が刺激され、快眠の妨げになってしまいます。活発になった交感神経は収まるまで2~3時間掛かってしまうので、42度以上の熱いお風呂に入る場合はこちらも食事と同じように就寝三時間前を目安に入ることをオススメします。あとは、寝る前に軽いストレッチを行い背中や胸部の筋肉を解せば体に取り込む酸素の量を増やすことが出来ます。また、寝るときは普段着ではなくパジャマ等寝ることを前提として作られている服を着て眠りましょう。それだけで睡眠時のストレスは軽減されます。
今回は睡眠の質についてと質の良い睡眠を得るために出来ることを調べてみましたが、今日からでも簡単に始められることが多いですね。後編である次回はもう少し科学的な面から快適な睡眠を得る方法を調べてみたいと思います。
(コラム*カワセミ)
2014年12月1日 10:00 AM | カテゴリー: コラム