コラム

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2016.01.10
鎌倉


 

 日本には世界遺産の登録を目指している場所がたくさんあり、その中に鎌倉があります。鎌倉は鎌倉時代の名前の元になったように、日本の歴史上で重要な拠点となっていた場所の一つです。源頼朝によって鎌倉幕府が置かれた都市で、観光名所となっています。
 鎌倉時代については歴史の授業で必ず習うものではありますが、現在の武家の古都・鎌倉については詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。今回は鎌倉時代にも触れつつ、鎌倉の魅力を紹介してみたいと思います。

 鎌倉時代は1185年~1333年の約140年間を指す時代区分で源頼朝が鎌倉幕府を開き、源氏が3代で滅亡した後は北条氏が執権となって政治を動かした時代です。途中、2度の元寇(モンゴル帝国及びその属国である高麗王国の侵攻)がありましたが、これを退けました。しかし、幕府に不満を抱いた御家人を集めた後醍醐天皇によって幕府は滅ぼされました。また、文化においては、簡素で力強い作品や大衆向けの仏教の宗派が現れたとされています。
 日本史の授業で鎌倉幕府の成立年を1192年(イイクニ)で覚えた方はたくさんいると思いますが、今では1185年(イイハコ)に成立したとされる説が有力視され、多くの教科書にも1185年で記載されているそうです。2006年頃から変更になったとのこと。これは、1192年は源頼朝が征夷大将軍に就いた年であり、征夷大将軍についたことにより幕府成立と見るか、1185年に軍事・行政官「守護」や、税金集めなどをする「地頭」を任命する権利を得て幕府の制度を整えたことをもって幕府成立と見るかの違いとなります。現在では制度を整えることに重きが置かれているようです。しかし、幕府成立年は他にも諸説あり、今後はまた変わっていくかもしれませんね。ちなみに、鎌倉幕府は「日本で初の武家政権」とされたこともありましたが、現在は平氏政権に次ぐ武家政権と位置づけられているようです。

 

 鎌倉には観光名所がたくさんありますが、中でも寺社が多くあります。数が多いのですべてを紹介することは出来ませんが、やはり外せないのは鶴岡八幡宮でしょう。鶴岡八幡宮は康平6年(1063)源頼義が奥州を平定して鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際してご加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺にお祀りしたのが始まりとされています。次に、鎌倉五山も紹介しておきます。五山とは、各禅刹の寺格を決めて官が任命した住持を順次上位の寺へと昇任させていく中国の制度です。現在は建長寺・円覚寺・寿福寺・浄智寺など、鎌倉の主な禅刹(禅宗の寺)が五山と呼ばれています。
 他にも鎌倉にゆかりのある文学者の著書や原稿、愛用品などを展示している鎌倉文学館や日本で最初の公立近代美術館として1951年に開館された神奈川県立近代美術館の鎌倉館があります。ちなみに、鎌倉館から350mほどのところに鎌倉別館もあります。また、鎌倉は豊富な散策・ハイキングコースもあるため多くの自然に触れることが出来ます。自然は季節によってその表情を変えるので、何度行っても楽しめる場所でもあります。

 今回は鎌倉について紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。社会人になるとまとまった時間を作ることが難しくなってきますので、学生のうちにいろんなところに旅行することをオススメします。
 鎌倉については、鎌倉市のHPから鎌倉観光のページに飛ぶことができ、多種多様な楽しみ方が紹介されていますので、興味を持った方は是非ご覧になってみて下さいね。

 

(コラム*カワセミ)

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