コラム

コラム

2013.11.29


 

 秋も過ぎ、十二月が目前に迫っています。前回のコラムでは、私は秋の七草をテーマに用いました。そのときにふと思ったのですが、七という数字がつく言葉ってたくさんありますよね。一週間も七日ですし、七草、七福神、七転び八起き、七つの大罪、ラッキーセブンなどなど。虹も日本では七色と考えられているようです。今回は、七という数字を持つ言葉をふたつ例に挙げ、その七にどのような意味合いがこめられているか、また起源について調べてみました。 

 皆さんは、一番身近な七個一組といえば何を思い浮かべますか?私は上にもはじめに挙げた一週間が頭に浮かびます。一週間は日、月、火、水、木、金、土の七日間で一組とされています。なぜ、一週間は七日間なのでしょうか。
 まずは一週間がなぜ作られたかについてですが、これは一ヶ月を四分割した周期を一週間に定めたそうです。一ヶ月は古来より月の満ち欠け日数の経過を図る非常によい目安とされてきたのだそうです。朔望月(月の満ち欠けの一周期)は平均して二十九日半と長いものです。昔の人々が目安として使うには長い日数で扱い難かったことが予想されますよね。新月から上弦へ、上弦から満月へ、満月から下弦へ、下弦から新月へ、という目視で計れる分かりやすい期間は約七日になります。ここで七日という単位が生まれたのではないか、と考えることができます。
 一方で、西洋の歴史的には旧約聖書に「神が七日間で世界を作った」という記述があります。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。旧約聖書の創世記では、一~六日に人間を含めた世界をつくり、七日目は作業を終えたことを祝福し休息した日とされています。これが日曜日です。なので、キリスト教徒の方は日曜日に礼拝に参加されているようですね。

 

 次に、七福神はなぜ七人なのでしょうか。
 まず、七福神を簡単に紹介してみます。七福神とは、恵比須(商売繁盛の神)、大黒天(豊作の神様)、弁才天(学問と財福の神様)、毘沙門天(勝負事の神様)、布袋和尚(開運・良縁・子宝の神様)、福禄寿(徳・長寿の神様)、寿老人(長寿と幸福の神様)の七人の福の神のことです。七福神信仰は室町時代末期頃の京都に始まったといわれています。
 室町末期の京の庶民の間に、福の神信仰が広がっていたそうです。室町末期といえば、戦乱の時代だったこともあり、武士だけではなく庶民も疲弊していました。なので、福の神信仰広がりやすかったのでしょうか。それだけではなく、商業が形を持ち始めた頃でもありました。庶民が蓄えをできるようになったからこそ、個人の富を願うようになってきたのですね。それまでの神様や仏様は国や村の護国豊穣を願う対象でした。室町時代後期になって、ようやく庶民の個人的な願いを託す信仰が始まったそうです。
 なぜ七人なのかといえば、神道における北斗七星信仰と、仏教における七や三という数字が吉祥数(吉を呼び寄せる数字)と考えられていることなどが関係するのではないでしょうか。七福神は神ですが、日本は神仏習合の風習があるのであまり神だから仏だからという違いはなかったのかもしれません。

 今回は一週間と七福神というふたつを例に挙げてみましたが、はじめにも書いたように七という数字が関係する言葉は沢山あります。皆さんも、身近な七が関係する言葉などで起源が分からないものがあれば、調べてみてはいかがでしょうか。

 

(コラム*カワセミ)

HOME