コラム
2013.09.30
東京オリンピック
2020年のオリンピック開催地が東京に決まり、日本中を沸かせたのは記憶に新しいと思います。東京でオリンピックが開催されるのは二度目で、前回行われたのは1964年の第18回オリンピック競技大会でした。この大会はアジア圏で初めて開催されるオリンピックで、しかし、その前に幻のオリンピックがあったのはご存知ですか?
1940年、東京でオリンピックが開催される予定がありました。このオリンピックは第12回大会で、開催が実現すれば史上初めて欧米以外の有色人種国家であり、アジアで行われるオリンピック大会として準備が進められていたものでした。しかし、日中戦争の影響等から日本政府が開催権を返上、実現には至りませんでした。この第12回大会は、日本が中止になった時の代替地として、オリンピックの招致合戦で東京の次点であったヘルシンキでの開催が予定されましたが、第二次世界大戦の勃発によりこちらも中止となってしまいました。ちなみに、現在までに30回開催されているオリンピックのうち、過去に中止となったオリンピックは3大会あり、第6回のベルリン(ドイツ)大会、第12回の東京(日本)大会、第13回のロンドン(イギリス)大会が中止となっています。いずれの大会も、中止の背景には戦争が関わっています。平和の祭典と呼ばれるオリンピックなので、今後はそのような理由で中止にならないことを願うばかりですね。もちろん、戦争自体が起こって欲しくないという大前提がありますが。
さて、話は1964年に開催された第18回東京オリンピックへと戻ります。東京オリンピックの開催が決定されたのは、1959年5月26日、西ドイツのミュンヘンで行なわれた第55次IOC総会でした。第12回大会の開催地が東京に決定していたにも関わらず、戦争のため開催返上となってしまってから20年という長い年月を経て、ようやくの実現となりました。このオリンピックで日本が得たメダルの数は29個でした。内訳としては金メダルが16個、銀メダルが5個、銅メダルが8個となります。この記録は第30回のロンドンオリンピックの38個、第28回のアテネオリンピックの37個、第23回ロサンゼルスオリンピックの32個に続く、歴代4番目に多いメダル数となります。最近の成績などを考えると、地元開催となる2020年の東京オリンピックは史上最多のメダル数も期待できますね。メダル獲得数が上昇した背景には、日本のお家芸とも呼ばれている柔道でのメダル獲得が大きいと思うのですが、この柔道が正式種目となったのも東京オリンピックからでした。アジア初、有色人種国初の開催となった東京オリンピックは、オリンピックの歴史から見てもとても価値のある大会だったのではないかと思います。
今回は過去の東京オリンピックについて書いてみましたが、いかがでしたか?2020年のオリンピックまで、時間はたくさんあります。興味があれば過去のメダル獲得数の推移やどんな競技で金メダルを多く獲得できているかなどを調べるのも面白いかもしれませんね。
(コラム*カワセミ)
2013年9月30日 10:00 AM | カテゴリー: コラム