コラム
2013.08.27
将棋について
今回のコラムは、将棋について書いてみたいと思います。皆さんは将棋を指したことがありますか?指したことがなくても、テレビ対局を見たことがあるとか誰かが指している所を見たことがあるなあ、なんて人はいるのかと思います。私は将棋を小学校5年生位から始めました。最初は父と指し父が一方的に攻めてくるのを防衛し続け最後はこちらが負けるという内容でした。その後、将棋の本を2冊ほど読んだ頃からもう負けなくなりました。その頃にはしっかり金矢倉に囲うようになっていました。
さて将棋についてですが、ここで言う将棋とは本将棋のことです。将棋(本将棋)は、2人で行い勝敗を競うボードゲームです。ボードゲームとは、ボード(盤)上にコマやカードを置いたり、動かしたり、取り除いたりして遊ぶゲームのことです。2人が盤の上で交互に駒(コマ)を動かし、相手の『王将』という駒を先に捕獲した方が勝者となります。本将棋の経験はなくとも将棋の駒を使った『はさみ将棋』『まわり将棋』『将棋崩し』などの遊びをしたことならあるのではないでしょうか。
将棋(本将棋)は、インドのチャトランガというボードゲームが起源と言われています。西洋の方に形を変えて伝わったのがチェスですね。東の方に伝わり日本で根付いたのが将棋です。
将棋は2人で戦うボードゲームですが、将棋人口は約600万人とされています。相手の王将を詰めればゲーム終了です。特徴としては、取った相手も駒を自分の側で使うことが出来るということでしょう。相手が持っていた駒を生かして戦う、再生工場のようです。
終戦直後に日本を統治していたGHQが、「将棋は相手から奪った駒を味方として使うことができるが、これは捕虜虐待の思想に繋がる野蛮なゲームである」として禁止しようとしたそうです。その時将棋連盟の代表としてGHQと相対した升田幸三氏は「将棋は人材を有効に活用する合理的なゲームである。チェスは取った駒を殺すが、これこそ捕虜の虐待ではないか。キングは危なくなるとクイーンを盾にしてまで逃げるが、これは貴殿の民主主義やレディーファーストの思想に反するではないか」と反論したそうです。結局禁止されることはありませんでした。
将棋のルールを説明しますと、まず駒の種類は8種類で、『王将』『飛車』『角行』『金将』『銀将』『桂馬』『香車』『歩兵』の8つです。『王将』は、『王将』『玉将』があり、上手が『王将』、下手が『玉将』を用います。まず、この8種類の駒を間違えずに配置していきます。よく分からないと言われるのは、『飛車』『角行』が左右どちらかが分からないということですが、『角行』が左側『飛車』が右側となります。それぞれ駒の動きが異なります。並べた駒が前に進んでいき敵陣(相手側の3段以内)に入るか敵陣に指した駒を1手動かす時に『成る』こともできます。駒が『成る』と駒は裏返しになり『金』の働きをします。ただし、『王将』『金将』は『成り』がなく、駒の裏には何も書いてありません。『飛車』は『龍王』となり縦横四方と周り1コマすべてが移動可能となり、最強の駒となります。『角行』は『龍馬』も斜め四方と周り1コマすべてが移動可能です。例えば実戦では、駒交換の結果相手に『角行』(成れば『龍馬』)が2枚盤上に陣取られると、こちらのすべての駒が狙われているようで神経的に参ってしまいます。私は実戦では角交換はしません。相手にもなるべく角交換されないように注意して指しています。序盤で角交換をし、常に何処かに『角行』を指されるというドキドキ感が苦手で、序盤での角交換を避けるようにしています。
将棋には『王将』を守るための色々な囲いが存在します。金矢倉・美濃囲い・舟囲い・穴熊などが有名です。知っている囲いはありますか?囲いはただ囲うのではなく相手が指す一手ずつのなかで途中いくつもの落とし穴があります。定跡といって昔からこの指し方が最善だという決まった手があります。研究済みの手順ということですね。将棋は一手一手の指し手に意味がある大変奥深いゲームです。私が中学生の頃は、随分学校で指しましたが、相手が振り飛車を指してくるタイプが多かったので自然と舟囲いにすることが多かったかと思います。金矢倉、振り飛車、舟囲いなどの囲いや戦法については説明を割愛させていただきますので、詳しく知りたい方は調べてみてください。
ビギナーの人は、最初は、一方的に攻めてみたり一方的に攻められてみたりしながら経験を積むのがいいのではないでしょうか。いっぱい負け続けた後に、『王将』を囲う意味、相手との駆け引きを知るのでしょう。勝ち負けはありますが、相手と一緒に作っていく共同作品が将棋なのです。その記録を棋譜と呼びます。棋譜とは将棋の対局(2人で将棋を指すこと)を記録したものです。将棋の本や新聞などは、この棋譜と実際にその局面をイメージした図表が載っています。興味があったら新聞やインターネットで見てみてください。日曜日のEテレ10時からの将棋講座『将棋フォーカス』や10時30分から12時までのNHK杯テレビ将棋トーナメントも参考になりますよ。
どうでしたでしょうか、多少でも興味を持っていただけましたか。もしかしたら、将棋は世界一の頭脳ゲームかもしれません。誰かと対局する他にも、誰かが対局するのをみたり、ソフトと戦ったりしてみると楽しいですよ。今はインターネット対局をされる方が多いようです。将棋人口が増えることを期待しています。
2013年8月27日 10:00 AM | カテゴリー: コラム