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2012.09.26
企業の5つの利益


 今回から、皆さんに何回かに渡ってファイナンスの基礎知識を得てもらうために企業の会計・分析・投資などについて書いていきたいと思います。会計分野一回目のコラムは、『企業の5つの利益』についてです。
 みなさんは、企業の財務諸表を見たことはありますか?財務諸表には貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などがあります。この財務諸表は企業の活動に利害関係のある人々(ステークホルダー)が企業の状態を判断するために使うものです。ステークホルダーには、経営者、従業員、取引先、債権者、投資者、国・地方自治体などがあたります。
 学生の方はこの後、従業員、投資者、また人によっては経営者となる方もいるでしょう。従業員になるためには、まず就職活動があると思います。会社は面接試験などで学生を選び採用しますが、その前に学生の方が、パンプレットや四季報などで会社の選んでいますよね。福利厚生や待遇ばかりに目がいきそうですが、企業の財務状況についても注意を払えるようになれればいいかと思います。企業の財務状況において疑問になりそうなものをいくつか挙げてみました。
・財務諸表を見てどれ位の規模の会社なのか
・資本金・純資産・負債はどれ位で、負債の割合が多すぎたりしてないか
・企業がどんな資産を持っているのか
・売上高はここ数年どんな推移をしているのか
・経常利益や当期純利益の推移はどうなっているのか
・配当金はどれぐらい支払われているのだろうか
 他にもいろいろあるかと思いますが、上記に挙げたような事を中心にチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 ちなみに、損益計算書は企業にとっての1年間の通信簿にあたります。A4用紙2枚程度で1年間の企業のがんばりが想像できる訳です。すごいですよね。今回は損益計算書を5つの利益として順番に見ていきましょう。
では、損益計算書に出てくる5つの利益についてですが、上から順に①売上総利益②営業利益③経常利益④税引前当期純利益⑤当期純利益とあります。それぞれについて分けて説明していきたいと思います。その際にお奨めの分析ツール計算式を載せておきましたので合わせて、読んでみてくださいね。

①売上総利益
売上総利益=売上高-売上原価
*商品や製品を販売した売上高から材料などの仕入れをして差し引いた利益です。
お奨め分析ツールは、2つあります。
ⅰ.対前年売上高比率
 対前年売上高比率(%)=今期売上高÷前期売上高×100
ⅱ.売上高売上総利益率(粗利益)
 売上高売上総利益率(粗利益)(%)=売上総利益÷今期売上高×100

②営業利益
 営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
*本業による利益

お奨め分析ツール
ⅲ.売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

③経常利益
 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
*経営努力の成果を示す利益

お奨め分析ツール
ⅳ. 売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

④税引前当期純利益
 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失
*1年間に会社が儲けた利益

お奨め分析ツールは、ありません。

⑤当期純利益
 当期純利益=税引前当期純利益-法人税,住民税及び事業税+法人税等調整額
*最終的な利益

お奨め分析ツール
ⅴ.売上高当期純利益率(%)=当期純利益÷売上高×100

 インターネット等の情報を同業何社か選んで、データをエクセルに打ち込みしてみるといろいろな発見があるかと思います。利益を出すにはどこが大事か、儲かる業種は何かとか判断ができるようになってきますので、ぜひ試してみて下さいね。

(コラム*FPロバ)


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