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2016.11.01
トパーズ


 11月の誕生石はトパーズです。名称の由来には2説あり、まずひとつ目は紅海にザバルガット島という島があり、英名でセント・ジョーンズ島という現在では有名な島なのですが、その昔伝説の宝石島「トパジオス島」といわれており、深い霧が立ちこめ発見しにくい島であるため、このことから古代エチオピア語で「探す」を意味する「トパージン」から島の名前が付けられ、ここで採掘される石をトパーズと呼ぶようになったという説です。ふたつ目は、古代インドで使われたサンスクリット語で『火』を意味する『topaz』(トパズ)からという文献もあるようです。

 

 トパーズの石言葉は「誠実・友情・潔白」などで、和名は「黄玉(おうぎょく)」と書き、黄色い石といったイメージが強いですが基本的には無色透明な石です。石英(水晶)より少し硬く、フッ素を含むアルミニウム珪酸塩鉱物で、産地ごとに多少異なった性質を持っているようです。比較的硬い鉱物ですが、結晶の上下軸に直角の方向に割れやすい性質(劈開性)を持っているため、弱い方向に軽く打っただけでもヒビや内部亀裂(クラック)を起こすことがあり、場合によっては割れてしまうこともあります。ちなみにヒビの入ったトパーズはパワーストーン辞典によると「盗難を招く」そうです。

 

 宝石学ではOHタイプとFタイプの2つのタイプに分けられます。OHタイプは屈折率が高く、光に長時間さらしても褪色しないとされています。最高峰はブラジルのミナスジェライス州オウロ・プレト産「インペリアルトパーズ」で、その色は“シェリー酒色”とも称される黄金色が中心で、他にも黄褐色から橙褐色など幅があるようです。またブラジルやパキスタンで産出する「ピンクトパーズ」もOHタイプですが、もう一つのタイプであるFタイプが混ざっているという報告もあるようです。黄玉の名前のモデルになった大半のトパーズがFタイプで、ロシア、ナイジェリア、スリランカ、メキシコ、そして量は少ないが日本で産出されるものは大抵このタイプであるようです。Fタイプは放射線処理によって様々な彩りを与えられるのが特徴で、色は無色、ブルー、ブラウンとあるが、出回っているブルートパーズはほとんど無色のものに放射線を照射したものであるとのこと。

 

 トパーズの歴史は大変古いもので、1300年代~1600年代までのルネサンスの間、古代ギリシャ人とローマ人はその輝かしい結晶は太陽神ジュピターに関係があるとし、トパーズが魔法の呪文を解き怒りを払拭できると考えていました。古代エジプト人においては「太陽の宝石」と呼び、太陽神ラアを象徴する高貴な石とされ、邪悪なものから身を守るためのお守りや病気を癒す治癒力がある石として扱われてきました。日本での歴史は、高木勘兵衛が明治3年(1870年)岐阜県恵那郡苗木山で鉱山を発見したのがトパーズが知見された最初という。岐阜県の苗木の他、滋賀県の田上山などのペグマタイトから一辺の長さが10センチメートル程度の柱状結晶が見つかったことがあり、今でも小さな結晶を採集することができるとのこと。興味がある方は是非、行ってみてはいかがでしょうか?

 

 12月の誕生石は私も大好きターコイズです☆乞うご期待!!

(コラム*ミーアキャット)


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