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2014.12.18
睡眠(後編)


 前回のコラムでは睡眠の質と、生活の中で睡眠の質を上げるために何が出来るのかを書きました。今回は、睡眠の質に関係するホルモンなどを紹介していきます。前回と通ずるところもありますので、未読の方は是非前回のコラム「睡眠(前編)」を一読くださいね。

 睡眠の質を上げるために特に大切なのは「メラトニン」「セロトニン」「トリプトファン」の3つです。この3つは独立して睡眠に必要と言うよりは、スムーズな入眠に導くためのホルモンであるメラトニンを増やすためにセロトニンとトリプトファンを取り入れると言った方が正しいかもしれません。
 メラトニンは脳内の松果体(しょうかたい)という器官から分泌されるホルモンで、深部体温を下げる副交感神経を優位にし、気持ちを落ち着かせて呼吸や脈拍、血圧を低くするという作用を持っています。つまり、心身ともに落ち着いた状態にしてくれるホルモンです。この中でもとくに体温を下げる働きは重要です。なぜなら、人が眠くなるのは体温が高いところから低いところに落ちる時だからです。メラトニンの分泌は、一般的には夜9時ころから始まり、夜11時くらいに眠気を感じるレベルにまで高まります。
 セロトニンは、メラトニンの材料になる物質です。つまり、セロトニンを増やせればメラトニンも増やせるということです。メラトニンが夜間に分泌されるのに対し、セロトニンが分泌されるのは日中です。とくに太陽の光を浴びることにより、セロトニンの分泌は促進されます。しかし、ただ太陽光を浴びればいいという訳ではありません。セロトニンの量を増やすためには材料も必要となります。
 セロトニンの材料になるのは、必須アミノ酸「トリプトファン」です。トリプトファンは主に食品のタンパク質に含まれていて、体内に入って脳へ運ばれたあとにセロトニンに変化します。そして、夜になるとセロトニンは「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変わり、眠りをサポートします。必須アミノ酸とは、その動物の体内で十分な量を合成できず、栄養分として摂取しなければならないアミノ酸のことです。自身で作れないため、外部から摂取する必要があります。トリプトファンの含有量が多いのは肉類や乳製品ですが、私たちの主食である白米やパンにも含まれています(ご飯1杯に60~80mg、食パン1枚に50~60mg)。一日あたり500~600mgくらいのトリプトファンを摂ることが不眠対策に有効と言われています。朝食を抜いたりすると、この数値を確保するのは難しいかもしれません。できるだけ一日三食しっかり食べて、トリプトファンを積極的に摂るように心がけていきましょう。
 つまり、トリプトファンを食事で取り入れ、太陽の下を歩き、夜11時までに眠れば質の嵩い睡眠を得ることが出来るということですね。

 

 また、眠りを深くするのはグリシンです。アミノ酸の一種であるグリシンは、鶏肉や豚肉などの肉類、えびやホタテなどの魚介類、アーモンドなどの豆類に多く含まれています。寝付きがよくなっても、質のいい眠りを手に入れるためには深い眠りに落ちることが重要です。グリシンは熟睡感が得られない熟眠障害や、夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒に有効な働きをしてくれます。ただ、グリシンは寝る前に取ってこそ効果があるようです。しかし、前編でも書いたように寝る前の食事は質の良い睡眠の妨げになります。なので、熟眠障害や中途覚醒の症状がひどいようであれば、サプリメントなどで補うことをオススメします。

 さて、二回に渡り、質の良い睡眠を取るためにどうすればいいのか書いてみました。少しでも皆さんの快眠に役立てば幸いです。

 

(コラム*カワセミ)

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