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2013.10.23
秋の七草


 年度の半分も過ぎ、すっかり秋も深まってきました。木々は紅葉し、草花も春夏の青々しい様から落ち着いた色となってきましたね。
 さて、秋と言えば……と考えれば、挙げられるものはいくつもあると思います。今回は秋の七草について調べてみようと思います。皆さんは、秋の七草をすぐに暗唱することが出来ますか?私が自分の記憶だけを頼りに言ってみようとした時、言えたのは4つ程度で以前覚えたのになぁと残念な気持ちになってしまいました。七草については、春の七草と秋の七草が有名ですよね。夏の七草もありますが、今回は割愛することにします。

 まず、春の七草は1月7日に食べる七草粥で食べることが出来るものとして知っている人も多いかと思います。これは邪気を払い万病を除くものとして食べられます。しかし、呪術的な意味合いのみではなく御節料理で疲れた胃を休めて野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという意味も兼ねています。これに対し、秋の七草は食用ではなく観賞するためのもので、秋の七草を用いた行事があるわけではありません。秋の花が咲き乱れる野原は「花野」(はなの)と呼ばれて親しまれており、花野を散策して短歌や俳句を詠むことが古来より行われていたそうです。
 秋の七草は、• キキョウ • クズ • ナデシコ • オバナ(ススキ) • オミナエシ • フジバカマの七種となっています。どうしてこの七種になったのかは、山上憶良が詠んだ和歌が秋の七草が選定された由来となっていますのでそちらも紹介しておきます。

秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
(万葉集・巻八 1537)

萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花
(万葉集・巻八 1538)

 

 ちなみに、「朝貌の花」が何を指すかについては諸説あり、朝顔、木槿(むくげ)、桔梗、昼顔などが挙げられるとのこと。現在広く知られている朝顔の花は、当時まだ日本に伝えられていないか、伝えられたとしても別の名前で呼ばれていたそうです。なので、ここでいう朝貌は朝早くから咲く別の花のことを指すと考えられます。その中でも桔梗とする説が最も有力とされているため、一般的に秋の七草を挙げるときは桔梗が加えられます。
 さて、上記に挙げた秋の七草ですが、自然の中で見ることが出来る場所は少なくなっています。中でも藤袴、桔梗などは、レッドリストに絶滅危惧類(絶滅の危険が増大している種)として登録されてしまっているそうです。古くから伝えられている秋の七草を見ることが出来なくなるのは寂しいことですよね。どうにかして、種の保存をして頂きたいと思います。

 秋の七草について書いてみましたが、いかがでしたか?
 機会があったらぜひご自身の目でも秋の七草を見て、花野を楽しんでみてくださいね。

 

(コラム*カワセミ)

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